「大人たちの本気の遊び in 葉山」告知

クラヴィアーレアが久しぶりに「葉山芸術祭」に戻ってきます!

2018年8月に東京オペラ・シティ近江楽堂で開催し好評を博したオール・トイピアノコンサート「大人たちの本気の遊び」が、装いをちょっと変えて再び皆様の前に現れます。会場は歴史的住宅遺産「旧加地邸」。葉山の丘の中腹に建つ味わい深い建物の中でのトイピアノの音をお楽しみください!

ピアノ+作曲ユニット「クラヴィアーレア」は、2002 年4 月に葉山芸術祭で第1 回公演を開催し、以降、東京を中心に、現代ピアノ音楽の可能性を探究してきました。

今年はピアニスト中村和枝がトイピアノ(子供用の玩具のピアノ)をたずさえて、15 年ぶりに葉山に戻ってきます。

本公演「大人たちの本気の遊び in 葉山」は、昨年8 月に東京オペラシティ・近江楽堂で開催した、トイピアノのみのコンサート「claviarea 14 コンテンポラリー・トイピアニズム ~大人たちの本気の遊び」の姉妹公演となります。近江楽堂で演奏した曲を中心に新たなプログラムを組み、6台のトイピアノを使い分け、様々な音色が楽しめるよう工夫されます。

トイピアノ自体はそれほど珍しいものではありません。しかしそれが在る光景は、通常音楽を聴く場所にはなく、本来は楽器というより「玩具」の領域にあるものです。しかしトイピアノはまた、古くは1948年にジョン・ケージが舞台音楽に用いてその歴史を切り開いたように、近代楽器と捉えることもできます。

一方、フランク・ロイド・ライトに学んだ日本の建築家、遠藤新(1889〜1951)が設計した近代建築の文化遺産「旧加地邸」は、ライトの影響を強く受けた意匠を持つ貴重な住宅遺産です。建物のみならず、居住空間内の家具や照明器具なども含めた統合的な設計思想は、ライトの建築哲学を引き継いだものです。

楽器であり玩具であり、そして私的な空間を彩るインテリア的な実用オブジェとしても機能するトイピアノと、近代の貴重な文化遺産である「旧加地邸」の邂逅−−−音楽と場所の関係を模索してきた「クラヴィアーレア」は、ここで現代の作品を演奏します。タイトルの「大人たちの本気の遊び」は、現代の作曲家たちがトイピアノの魅力を再発見し、玩具の楽器を立派な楽器として捉えた結果としての「作品」を並べます。建物も楽器も現代に引き継ぎ、昇華する、そんなステージを作ります。

「音の建築」とも呼ばれる音楽の響きを、貴重な近代建築の空間でお楽しみください。


■プログラム
松平頼暁 ABZ~複数のトイピアノとヴォイスのための
平石博一 アップ・トゥ・デイト
近藤譲 カッチャ
山本裕之 ヘミオラ・スリップ
成本理香 ラインズ
山口恭子 砂糖の雨
近藤浩平 坊さんの気晴らし
S.モンテギュー ミラベラ
W.A.モーツァルト トルコ行進曲

※演奏順未定、プログラムは予告なく変更する場合があります。

日時:2019年5月11日(土) [昼の部] 開演13:00(開場12:30)[夕の部]開演16:00(開場15:30)
※各公演後に30分ほど、建物内の見学が可能です
場所:旧加地邸(神奈川県三浦郡葉山町一色1706)

出演:中村和枝(トイピアノ)、萩生哲郎(ゲスト・トイピアノ)

主催・企画:claviarea(クラヴィアーレア) http://claviarea.com/
制作協力:葉山芸術祭実行委員会
協賛:NPOグローヴィル

入場料 各回 一般2500円 学生以下1000円

■ご予約
電話 NPOグローヴィル 03-5114-5504(4月29日~5月3日を除く10:00~17:00)
(留守電モードの場合は、「クラヴィアーレア予約」の旨と、お名前・お電話番号をお残しください。)
info@claviarea.com

「大人たちの本気の遊び」トイピアノに囲まれて終了!

「大人たちの本気の遊び」、終了しました。本気で遊んだ一日でした。

ご来場いただきました皆様に心より御礼申し上げます。おかげさまで満席の大盛況でした。

 

さて今回は、客席が舞台をUの字に取り囲む形となり、各前方のお客様は間近でトイピアノを御覧いただく事になりました。ここでは見やすいように、ゲネプロの様子を写真でお伝えします。

会場には様々なトイピアノが並びます。

いつもよく使用する、iPadによる譜めくりは今回も活躍しました。(近藤譲作品)

成本理香さんとのゲネプロ。

近藤浩平さんとのゲネプロ。

山根明季子作品では村田厚生さんのプラスチック・トロンボーンが登場です。

松平頼暁さんの委嘱作品では、歌いながら楽器も叩きます。トイピアノのイメージを覆す、かなり激しい曲です。

もう一つの委嘱作品作曲家、平石博一さんです。7曲の小品からなるこの曲は、常に2台の楽器を左右の手で引き分けます。まさに本公演の趣旨を効果的に利用された新作でした。

この他に、田口和行作品、山本裕之作品もありました。

 

今回はご予約だけで席が埋まってしまい、残念ながら当日券が出せなくなってしまいました。せっかくいらしていただいたのに、お断りしてしまったお客様もいらっしゃいました。心よりお詫び致します。

トイピアノの音を比較!

8月4日「大人たちの本気の遊び」で使用する主な楽器を紹介します。

まずは定番の河合楽器「KAWAI 1135」グランド。とはいえこの楽器、実は細かい改良を重ねながらいくつもの型があるのです。今回は蓋が開くものと開かないものを使用します。

同じく河合楽器の「KAWAI 1151」アップライト。グランド型が有名なので、カワイのアップライトがあるなんてあまり知られていません。音もかなり違います。

シェーンハット「Schoenhut 379B」グランド。今回の公演で中心となる楽器です。倍音の複雑さが魅力です。

シェーンハット「Schoenhut 2522W」アップライト。ボディ色が赤と白の2台を会場に持ち込みます。楽器の形が独特です。

白川ピアノ「Weissenbach」グランド。型番があるのかどうか分かりません。シェーンハットのグランドと並ぶ本公演最大級の大きさの筐体を持ち、やはり倍音も豊富です。

如何ですか? どれをとっても同じ音の楽器がありません。
これもトイピアノの魅力です。