claviarea 14 コンテンポラリー・トイピアニズム/大人たちの本気の遊び

ピアノ+作曲ユニット「クラヴィアーレア」では、2002年の第1回公演から、中村和枝による「コンテンポラリー・ピアニズム」シリーズを中心に、現代音楽におけるピアニズムを探求し、時として現代における聴取の形態についての実験的公演などを行ってきました。第14回目にあたる本公演で、中村和枝はついに通常のピアノから完全に離れ、近年熱心に取り組んできたトイピアノのレパートリーを集めた公演を行います。

トイピアノは全部で5台の楽器を使用、それぞれ個性的な音を持ちます。これらを聴きくらべることによって、この楽器の玩具としての側面だけではない、魅力的な世界が展開される公演となるはずです。

プログラムはすべて日本人作曲家による作品。平石博一と松平頼暁の委嘱新作に加え、近藤譲の日本初演作から若手の田口和行に至る幅広い世代の作品を集めました。特に山本、成本、田口、山根各作品は、以前に中村のために書かれた作品です。それぞれまったく異なるアイデアと手法とスタンスで、トイピアノの限られた音域に対峙した日本の作曲家の大いなる「遊び」が、ここにあります。

トイピアノ自体はそれほど珍しい楽器ではありません。しかしそれが在る光景は、通常音楽を聴く場所にはなく、楽器というより「玩具」の領域にあるでしょう。本公演ではそれを完全に舞台に引っ張り出します。近江楽堂の豊かな響きの中で、この小さいユニークな楽器による、可愛くもシリアスで「本気な遊び」の世界を探検してください。


■プログラム
・松平頼暁 ABZ~複数のトイピアノとヴォイスのための(委嘱新作初演)
・平石博一 ビヨンド・ザ・ミラー(委嘱新作初演)
・近藤譲 カッチャ(日本初演)
・山本裕之 ヘミオラ・スリップ
・成本理香 ラインズ
・山根明季子 マジカル・メディカル・トランキライザー (共演:村田厚生)
・山口恭子 砂糖の雨(日本初演)
・近藤浩平 坊さんの気晴らし
・田口和行 星屑

 

日時:2018年8月4日(土)開演14:00
会場:東京オペラシティ・近江楽堂(京王新線初台駅東口より徒歩3分)

演奏:中村和枝(トイピアノ)、村田厚生(プラスチック・トロンボーン)
制作協力:ナヤ・コレクティヴ

入場料(各回共通):
[前売]一般3000円、学生1500円
[当日]一般3500円、学生2000円