claviarea 11 コンテンポラリー・ピアニズム/日本で言ふところの平成音楽

claviarea 11 コンテンポラリー・ピアニズム/日本で言ふところの平成音楽

 世界の動きとは関係なく、平成の四半世紀は日本の社会において「現代」とひとくくりできるひとつの時代枠です。昭和は遠くなりにけり、その時代はだんだんと歴史の渦に飲み込まれつつあります。戦後昭和をイデオロギーの時代と呼ぶならば、平成とはなんでしょう。イデオロギーの括りを失った音楽はどこを漂っているのでしょうか。
 武満徹の《リタニ》(1950年発表の《2つのレント》の改作)が発表されたのが平成元年。それから約10年おきに日本とヨーロッパで書かれたピアニズムを読み解きます。武満(1930~96)と同世代でヨーロッパ前衛の洗礼を受けたB.ジョラス(1926~)、戦後世代中堅の山本裕之(1967~)と成本理香(1969~)、そしてS.ジェルヴァゾーニ(1962~)。作曲家達が背負った文化や音楽体験の残像は、この四半世紀に発表されたピアノ作品の中に、意識的にせよ無意識的にせよどのように投影されてきたのでしょうか。おなじく四半世紀近くの演奏活動を続けてきた中村和枝が、自らのピアニズムを通してこの平成という「現代」を振り返り、次の四半世紀を予告します!?

インフォメーション

写真上:東京公演(リハーサル、作曲家成本理香氏と)
写真下:東京公演

写真上:名古屋公演(リハーサル)
写真下:名古屋公演(トイピアノ)

■演奏:中村和枝(ピアノ)
■企画:山本裕之(作曲家)
■制作協力:ナヤ・コレクティブ

■東京公演
■場所:松濤サロン/東京都東京都渋谷区松濤1-26-4
■日時:2013年6月23日(日) 開演16:00(開場15:30)
■入場料:前売一般2,500 円・前売学生1,500円(当日各+500円/全自由席)

■名古屋公演
■場所:HITOMIホール/名古屋市中区葵3-21-19
■日時:2013年6月30日(日) 開演16:00(開場15:30)
■入場料:前売一般2,500 円・前売学生1,500円(当日各+500円/全自由席)

■プログラム:
ベッツィ・ジョラス/ジェイピーセスI・II(2001)
山本裕之/テレプシコーレ舞踏者(2000)
成本理香/TRACE II: Three Curved Lines for piano(2008委嘱作品)
武満徹/リタニ~マイケル・ヴァイナーの追憶に~(1989)
ステファノ・ジェルヴァゾーニ/プレ(2008~/一部世界初演)